NTT Docomo Inc vs The Assistant Controller Of Patents and Designs & Others.

三好内外国特許事務所様で行われたインド特許実務の最新動向セミナーを拝聴してまいりました。

インドでのエグゼキューション業務の概要、PCTからの移行の際のコツや訴訟周りの制度の概観など基本的な実務回りの知識を共有頂きました。また、最近のインドの知財周りの状況の改善について判例をあげて解説いただきました。

ここでは今回の講師のVadehra氏が「歴史的」と言及していた判例のひとつを紹介いたします。

紹介する判例は2014年3月28日の「NTT Docomo Inc vs The Assistant Controller Of Patents and Designs, The Controller of Patents and The Union of India」です。

詳しい判決はこちらからご覧になれます。

 

背景

NTT Docomoは日本の特許事務所を通じてインドの特許事務所に類似した2つの特許の申請を依頼していた。その後、2つの特許のうち、ひとつは今後の戦略の中で重要な技術となるがもう一方は不要になったため、後者の取り下げを依頼した。それを受けたインドの特許事務所は誤って前者の重要な特許の方の取り下げの手続きを行った。

誤りに気づきたNTT Docomo側は取り下げの手続きの取り消しを要請したが審査官はそれを拒否した。

NTT Docomo側はマドラス高等裁判所に対しインド憲法226条に基づく令状の請求を行った。請求した令状の内容はNTT Docomoの権利を脅かす審議官の決定を覆し、誤って取り下げられた特許の復権するというもの。

 

判決の概要

マドラス高等裁判所はNTT Docomoによる令状請求を認め審査官に誤って取り下げられた特許の復権を指示した。また以下のことが示された。

  • 特許審議官は特許法78条及び137条により大きな力を持っており、誤って取り下げられた特許申請を復権することを拒否することは出来ない。
  • そうでなければ、NTT Docomoは最新の技術を用いることが出来ない状態を強制されてしまう。これは権利を保護する特許法の意図するところに反する。
  • 一般条款法21条により特許審議官は実行だけでなく、その取消をすることができる。
  • 慣習法により、エージェントにより実行されたミスのためにNTT Docomoが責任を負う義務はない。

 

判決による影響

上記のように一度行われた取り下げの取り消しが認められた判決は本ケースが初めてとのことです。エージェントのミスで行われた申請が取消できないというのはなかなかすごい状況でしたが本ケースにより改善されつつあるということです。

上記に限らずインドの特許審議官はお世辞にも仕事に積極的だとは言えない状況が続いていましたが、本件や最近のその他の判例により状況は改善されつつあるとのこと。

モディ新首相の下で経済改革を進めていくであろうこれからのインドがますます国際社会でプレゼンスを高めていくのと同時に知財周りの環境も一層整備されていくことが期待されます。

 

 



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